重版&続刊記念!! みお先生&山本ゆり先生合同コラボ記念SS 第2弾!『風邪ひき、アイボリーリゾット』

チーズリゾット レシピ ショートストーリー
Twitterのフォロワー103万人を超える人気の料理コラムリスト、山本ゆり先生のブログ「含み笑いのカフェごはん 『syunkon』」との夢のコラボです。

【含み笑いのカフェごはん『syunkon』】

山本ゆり先生の日常や簡単レシピがたくさん紹介されているこのブログの中から、「チーズリゾット」を使ったショー トストーリーを大公開!

みお先生の綴る温かくて美味しいショートストーリーをお楽しみください。

ことのは文庫

極彩色の食卓

レシピ

チーズリゾット

材料(1~2人分)
★これだけ食べるなら1人分、他におかずがあるなら2人分。
:生米…1/2カップ(80g)
:顆粒コンソメスープの素…小さじ2
:オリーブ油…大さじ1ぐらい
:にんにくチューブ…1cmぐらい
(生のにんにくみじん切り1片のほうがおいしい)
:水…350mlぐらい

:バターまたはマーガリン…小さじ1ぐらい
:ピザ用チーズ…大さじ2ぐらい(好みで。入れすぎたらしょっぱくなります)
:塩、こしょう…各少々
●あれば粉チーズ、粗びき黒こしょう、オリーブ油・・・・各適量
チーズリゾット
作り方
大きめの耐熱ボウルにを入れて混ぜ、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で約15分チン。(取り出すとき熱いです)を加えて混ぜ、2~3分蒸らす。
器に盛り、あれば黒こしょう、粉チーズをふり、オリーブ油をたらす。
★お米は洗わなくてOKです。気になる方はサッと表面だけ洗うか無洗米で。
★固ければ追加で2~3分チンしてください。スープをどんどん吸うので、加熱直後はしゃばしゃばぐらいがちょうどいいです!
★ブクブクになって溢れることがあるので大きめの耐熱容器で。耐熱コンテナだと溢れます。

山本ゆり先生コメント

レンジで一発で作る簡単リゾットも、誰かのためを思って作るとこんなに優しく、みおさんの手にかかればこんなに綺麗なキャンバスになるんだなあと。
お米の白、黄色とオレンジのチーズが混ざったアイボリーに、緑がかったオリーブオイル。
チーズやバターの香りがここまで漂ってくるようで、こんなに美味しそうなレシピを作ったんか自分!と嬉しくなりました(笑)。
普段の明るい世界なら埋もれてしまいそうな優しい色のリゾットも、風邪をひいてしまった燕くんの白、黒、グレーの重たい世界との対比ですごくパッと鮮やかな一皿になるところがまた良くて。
素敵な世界に入れて頂いてありがとうございました。

SS

『風邪ひき、アイボリーリゾット』『風邪ひき、アイボリーリゾット』

  「……律子さん」
 口から漏れたのは、自分のものではないような掠れ声。体全身が熱っぽく、体を起こすだけで節々がずん、と痛む。
 燕が風邪を引き込んでしまったのは、夏の終わり秋の始まり。ほんの少しの油断が風邪を招いた。
「すみません律子さん。ちょっと……風邪をひいてしまって……あ。それ以上、近づかないで下さい」
 部屋に入ろうとする律子を外に押し戻し、燕は腕で口元を押さえて咳をする。コロコロと喉が鳴った。
 嫌な音だ。目が覚めるとこの状態で、体を動かすだけで関節が悲鳴を上げる。
 今日は一段と冷える朝だった。冷え込んだ気温のせいか、風邪のせいか起き抜けから寒気が止まらない。
「まあ、大変。私が看病してあげる。お水がいい? お白湯? タオルを冷たくして持ってくるわ」
「何もしないで」
 ぐったりとベッドに寄りかかる燕を見て、律子が落ち着かない様子で扉の前を行ったり来たり。
「だって。前、私が風邪を引いたとき、燕くんが看病してくれたじゃない」
 ……律子は心配するふりをして、少し楽しんでいる雰囲気がある。
 咳をこらえながら、燕は首を振る。今は少し動くだけでも億劫だ。
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あとがき

前回に引き続き、今回も山本ゆり先生のレシピで小説を書かせていただきました。
山本先生、許可いただきありがとうございます!
そしてふたたび機会を設けていただいた編集部の方にも感謝です。
今回はまっさらな気持ちで「白」のお料理。
せっかくのコラボだから律子さんにお料理をしてもらおう!……でも律子さんがコンロや包丁を使うと大変なことになってしまう!
ということで、山本先生の「レンジで作る簡単リゾット」に挑戦してもらいました。
材料を入れるだけ。それをさらにレンジをかけるだけ。
そんな簡単な工程でびっくりするくらい本格的な味になりました。
最初私が作ったときはうっかり時間を間違えて、柔らかめに仕上がってしまったのですが(味は最高においしかったです)レシピ通り作れば、芯が残りつつほろっとして、ミルキーな本格イタリアンレストランの食感&味わいでした。
律子さんじゃなくても、火を使うのが嫌になる季節にもぴったりなので皆様もぜひ!

みお

香川生まれの大阪育ち。同人、商業と作品を発表しているライター兼業の文筆家。料理専門誌ライターの経験を活かし、本作を執筆。日頃から様々な事象を文章化するのが好きで、本作の文章にもその経験が遺憾なく発揮されている。

山本ゆり

大阪生まれ。レシピ本、エッセイ集など料理に関する数多くの著書がある人気の料理コラムニスト。気まぐれに更新されるブログ「含み笑いのカフェご飯『syunkon』」では自身の日常や簡単レシピを公開している。

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表紙

極彩色の食卓

  • 著:みお
  • 装画:丹地陽子
  • 発売日:2019年6月22日
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極彩色の食卓
カルテットキッチン

  • 著:みお
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