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ことのは文庫

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高校二年生の枇々木天音(ひびき・あまね)は、
和歌を介して言葉の力を「現実化」させ、
町の神社に持ち込まれる
妖(あやかし)がらみのトラブルを解決する「言霊師」。

ある日、天音は自分が現実にした「言葉の力」をひっくり返す能力を持った、
相性最悪の妖と出会う。

その妖とは、銀髪・若葉色の目を持ち、胡散くさい関西弁を操る、
美しい「天邪鬼」だった――。

正反対の資質を持った、
人と妖の凸凹バディが贈る
《やまとうた》ファンタジー!

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  • 枇々木天音(ひびき・あまね)

    17歳、高校二年生。
    「和歌」に詠まれた風景や現象を具現化する
    「現実《リアル》」の能力を操る。
    神主の祖父とともに神社で暮らしている。
    あまり感情を出さず、口数も少ないが、
    周りの人たちのことをいつも大事に思っている。
    祖父に仕込まれた体術を使いこなす、かくれ武闘派。
    好きなものは、猫と焼きそばと和食全般。
    嫌いなものは、うるさいものと冬(寒いから)。

  • 鬼島千歳(おにしま・ちとせ)

    関西弁モドキの方言を話す天邪鬼。
    あらゆる現象や霊力を跳ね返す
    「裏返し《リバース》」の能力を持つ。
    天音に興味を持ち、
    同級生のフリをして高校に紛れ込んでいる。
    自由気ままな性格だが、
    気に入った相手は放っておけずに世話を焼く。
    家事能力が高く、和食づくりが得意。
    好きなものは、飴・甘いもの。
    嫌いなものは、雨(濡れるから)。
    天音の祖父・枇々木早雲(ひびき・そううん)とは
    犬猿の仲。

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艶やかな「和」のイメージを描き出して下さった沙月先生の装画に、
作中に登場する「和歌」を載せて、今回の装幀は完成しました。
店頭ではオビで隠れてしまっている、その全貌をご紹介します!

  • イラスト:沙月コメント

    今回の装画を製作するにあたり、まず意識したのは
    天音と千歳の「バディ感」を出すことでした。
    そのため、二人が対になる感じが出るように、
    補色関係にある紫と緑を大切にしました。
    また、紅葉やイチョウで華やかさをプラス、
    そして「和歌」が題材なので、和風っぽさが出るようなモチーフを選びました。

  • 著者:いのうえ えいコメント

    沙月先生、デザイナーのnext door design・長崎様、
    本当に素敵な装丁をありがとうございます。
    沙月先生が描いてくださったイラストには、私にとっての「嬉しい!」が満載でした。
     天音と千歳が美しすぎるのはもちろんのこと、2人をつなぐ芙蓉の花、秋の風景、そして優しい色合いの和の雰囲気。(猫さんズまで……!)
    ゆったりと滲み出る美しさが、2人の不思議なつながりを温かく見守ってくれるように感じました。
     和歌を織り交ぜたデザインにもやられました。
    言葉は目に見えないけれど、こうして私たちが与えるそれぞれの色に染まりながら見慣れた風景の中に溶け込んでいるのかも。
    この装丁を手に取っていただくだけで、「言霊」のご利益(?)がじんわりと気持ちを温めてくれそうです。本当にありがとうございました!

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本作『ヨロヅノコトノハ』には、
百人一首などでおなじみの
素敵な「和歌」が多数登場します。

学校の教科書で見たことがあるけど、
あんまり「和歌」ってよくわからないな……という方や、
お正月の百人一首でしか触れたことがない、という方のために、
天音くんによる、とっても楽しい「和歌教室」の、
はじまりはじまり……。

そしてさらに!
そんな「和歌教室」が誕生した裏話が、
なんと、作者のいのうえ えい先生の手による
四コマ漫画で登場します!

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ある日の、いのうえ先生と担当編集の会話。

担当「奈良の和歌で有名なところを特設サイトで紹介したいんですけど、知識がないのでわからなくて……」
先生「こんな感じで何か所もありますよー(あっという間に画像が届く)」
担当「(ち、地図付き……!? すごい……!)」

ということで、
本作の舞台となった奈良県は、「和歌の町」としても有名。
では実際に奈良県にゆかりの和歌にはどんなものがあるのか、
ご紹介します!

気になる和歌があったら、ぜひ現代語訳なども楽しんでみてくださいね。

※「人はいさ…」「このたびは…」の2首の舞台には諸説あります。 予めご了承ください。

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  • 『言霊』ってあると思ってましたが、
    そんな言霊を操る高校生が現れた。
    和歌を介して現実化をするなんてすごい。
    そして天邪鬼だけど全然天邪鬼じゃない優しい千歳。
    この二人のタッグいいですねー!!
    ラストまで爽やかな風を感じるようでした。
    言葉って大事ですねー!!
    更に日本の文化をもっと大事にしたいと感じました。

    コメリ書房鈴鹿店 森田洋子様

  • 天音と相棒・妖の能力の組み合わせが絶妙で万能感に溢れながらも、それでも解決できない胸の内の難問が浮き彫りになる様子は、せつなさに満ち溢れている。 言葉として認識すること自体が枷になるような思いは、大なり小なり実は誰もが己の中に抱えているのでは。
    奥ゆかしい和歌に、自分の気持ちを思わず反映してしまう快作。

    明林堂書店 南宮崎店 河野邦広様

  • とんでもなく強いはずの妖怪・千歳と、言霊師・天音がタッグを組んだファンタジー。
    学校での友達と2人との会話や、従弟とのやりとりにほのぼのしました。
    天音のおじいちゃんと、千歳の会話は楽しかったです。天音と千歳の友情と、秘密も読み応えあり。

    文信堂書店 長岡店 實山美穂様

  • 握手で繋がる高校生(?)コンビが言霊操り依頼に挑む!
    学校で習った歌も初めて知る歌も解説があるので和歌に込められた意味も理解しやすく、そしてそれが裏返された時にまた大きな力が生まれる。
    高校生の日常と非日常的な話が入り混じる作品。よくある妖作品とはまた違った人と妖の関係が面白い。

    明文堂書店 書店員様

  • 和歌を操る「言霊師」の天音。とても優雅でいて鋭く響き、華麗な場面が目に浮かびました。
    関西弁でおしゃべりさんの天邪鬼、千歳。コミカルに動き回る姿が想像できました。
    そんな二人は全く違う人物なのに、パズルのピースがパチッとはまったようなバディ。
    二人の息の合った流れるような場面に、読んでいてとてもワクワクして楽しかったです。
    二人の会話はとてもリズミカルで、とても楽しく、自然と笑みが出ていました。
    楽しい二人だからこそ、お互いを思う場面では、とても切なく、深く心を打たれました。
    まっすぐな人の思いは、本当に人の心に響くのだなと思いました。
    天音が発する和歌を読んで、和歌には素敵な思いが込められているのだなと、改めて和歌の魅力を感じました。
    華麗な静と動を感じ、和歌の魅力も改めて感じられる、とても素敵なストーリーでした。

    未来屋書店 ボンベルタ成田店 森川由香様

表紙

ヨロヅノコトノハ
やまとうたと天邪鬼

  • 著:いのうえ えい
  • イラスト:沙月
  • 発売日:2021年7月20日
  • 価格:770円(本体700円+税10%)

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