ことのは文庫

story

異人館街にある隠れ家カフェの裏家業は人助け。
闇落ちしかけた心、祓います。

故郷を捨て鬱屈とした日々をすごしていた浅緋は、黒いあやかしに襲われ、
異人館街にあるカフェバーの店主・桐夜に助けられる。

桐夜の正体は古の時代から、
不思議な刀を使い心の闇に憑く魔を祓う一族「鬼人」の生き残りだった。

彼の「仕事」に惹かれ、押しかけバイトになった浅緋は
やがて桐夜たち鬼人の過去を知り……。

モダントレトロ、六甲の豊かな自然が織り交ざる街・神戸

お人好しヤンキーと美貌の鬼人が奇妙な運命で引き合う――

story

  • 桐夜きりや

    桐夜
    「cafe&BAR 雪」のオーナー。艶やかな長い黒髪に185センチの長身、カマーベストが恐ろしいほど似合う、同性も見惚れるほどの美形。その正体は鬼人の生き残り。
  • 浅緋あさひ

    浅緋
    19歳。幼い頃に両親を亡くし養父母に育てられるが、故郷を飛び出し神戸の街で暮らしている。喧嘩っ早く口が悪いが、根は正義感が強く動物や子どもに優しい。
  • ナギ

    桐夜
    桐夜の使い魔。人前では黒猫、本来の姿は美しい毛並のた黒豹で人に化けることもできる。大昔に南方から渡来し、鬼人の里に居着き、彼らを見守ってきた優しいあやかし。浅緋のよき相談役。

review

  • cafe&BAR 雪(カフェアンドバーゆき)

    神戸山手の異人館街にある、桐夜の経営する隠れ家カフェバー。
    昼間はカフェで、夜のバー営業は「店主都合」で急に休みになることもある。
    美貌の店主目当てで訪れる客も少なくない。
    珈琲、紅茶、お酒だけでなく、ノンアルコールのオリジナルカクテルも出す。
    料理メニューはナポリタンやオムライスが人気で浅緋もお気に入り。
  • 鬼人(おにびと)

    平安時代より、呪術を生業にしていた貴族・小田家に仕えていた一族。
    「金眼(きんがん)」を持ち、霊力のある刀で呪魔を祓ってきた。
    鬼人の里は京都との県境、丹波篠山の山深いところにあったようだが……。
  • 呪魔(ジュマ)

    絶望・無力感・嫉妬・不安・恐れ・憎悪といった、闇に吞み込まれたり弱っている心を餌にするあやかし。
    憑かれた者は、やがて心を喰いつくされ空の肉体だけが残る。

書き下ろしSS

街路樹や六甲山の木々が、黄色や赤色に色づいた秋の神戸。
浅緋、桐夜、ナギ、そして……?
定休日の『café & BAR 雪』でのひとときを描いた、
本編アフターストーリー。
  • 書き下ろしSSはこちら

review

  • 夢や愛と呼ばれるものを失ったと思った後に、再び居場所を探すお話なのだと思いました。
    過去の回想と現代の描写が行き来する中、 過去に投げかけられた(言われた人がきっと最も大事にしたかった)言葉に、
    読者としても照らされ灯りを得たような気持ちになりました。
    主人公の浅緋くんや黒猫のナギさんには今回語られなかった秘密もあるようで、気にかかります。

    レビュアー

  • 神戸を舞台にした、あやかしファンタジー。呪魔を祓う鬼人族の生き残り桐夜、桐夜に助けられて、
    見習いになった浅緋、謎めいた黒猫(豹)のナギ。この3人?のコントラストが面白かったです。
    「オルゴールと少年」が、切なかったけれども、家族を想う熱い気持ちが描かれていて良かった。
    また、鬼人として過去に立ち向かう桐夜の姿、それを支えるナギと浅緋の姿は物語の柱となるものではと思います。

    レビュアー

  • 主人公の浅緋は、ケガで陸上を諦めて実の両親は他界して、養父母に育てられたという複雑な背景があり、
    冒頭では荒れていましたが、桐夜との出会いで元の明るく優しい性格に戻って  
    桐夜に呪魔退治の手伝いをさせてほしいと頼み込み、ナギのフォローを受けながら、
    色々な問題に向かっていく姿は、頑張れと応援したくなります。
    桐夜も親友たちを目の前で失くし、故郷を失くしと想像できないくらいの辛さを抱えながら、
    ナギと共に使命である呪魔退治を続けている姿は、痛々しくもありそれしか残っていないのだろうなと思いました。
    終章で浅緋の仲介で疎遠になっていた瑞貴と仲直りし、呪魔になってしまった親友を退治する姿は、
    親友を助けたいという思いが伝わってきました。
    複雑な過去を持つ二人とナギのバランスがとても良く、瑞貴も含めて明日へと歩いて行こうと希望を持ったラストは、
    明るい未来を感じられる終わり方でした。

    書店関係者

  • 後悔との決別への後押しは……。怪我をきっかけに怠惰な生活を送りつつあった浅緋は
    得体のしれない物に襲われたところを美貌のカフェバー店主・桐夜に救われる。瞳が金色の桐夜の正体は……。
    神戸の夜景の中、漂う妖しいの気配は暗く哀しく且つ幻想的です。
    そんな中、当初助けた側の桐夜が哀しい過去を引きずったままでいて、立ち直る方に転じた浅緋が
    桐夜の後悔の決別へ後押しするような展開は心地よい物がありました。
    お互いのトラウマを乗り越えこれからの先が楽しみになるような幻想譚。

    書店関係者

  • 誰の心にも有るであろう悪感情。それが積もり形をもった呪魔を滅する事を生業としている
    鬼人でありカフェバーのオーナーでもある桐夜と、呪魔が突然見えるようになった浅緋。
    カフェに持ち込まれる複数の相談や悩みがやがて桐夜の過去へと繋がっていく。
    鬼人の里を巡る過去の出来事に悲しいやるせない様な気持ちにもなりましたが、
    最初は桐夜に良く思われていなかった浅緋がだんだん受け入れられていく様子や個性的な登場人物達も加わり、
    話に引き込まれていきました。個人的に好みの内容だという事もあり、
    どんどん読み進め、既に続きが気になっている状態です。

    書店関係者

表紙

神戸むこやま幻奇譚
貴方の魔物お祓いします

  • 著:蒼月みかん
  • イラスト:新井テル子
  • 発売日:2021年11月20日
  • 価格:770円(本体700円+税10%)

書店でのご予約はこちらの予約票をご利用ください