ことのは文庫

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大好きな叔母の万里江ちゃんが亡くなり、悲しみにくれる西宮輪花(にしみや・りんか)が出会った、
「なごみ典礼」の葬儀スタッフ・伊織永汰(いおり・えいた)はお葬式のスペシャリスト。

伊織は、香典泥棒騒ぎをスマートに解決しただけでなく、
万里江ちゃんが生前に輪花へ贈ろうとしていた想いも見抜いてしまう、名探偵でもあった――。

遺された人の悲しみに寄り添い、亡くなった人の想いを掬いあげる伊織の仕事ぶりにあこがれて、
輪花は調剤薬剤師の仕事から一転、葬儀業界へと飛び込んでいく。

「小町」と評判だった妻の戒名をつけたがらない夫の真意とは。

顔出しNG・配信OKのYouTuberのお葬式では怪事件が!?
 
ひと筋縄ではいかない葬儀には謎とドラマがいっぱいで……。

敏腕スタッフ・伊織の謎解きと、新米スタッフ・輪花の奮闘を描いた、お仕事ミステリー。

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  • 西宮にしみや輪花りんか

    26歳。一念発起し、
    薬剤師から葬儀業界に転身した新米スタッフ。
    好奇心旺盛でちょっとドジ、
    人の感情に共感しやすく涙もろい。
    葬儀屋の仕事と伊織に興味津々。

  • 伊織いおり永汰えいた

    29歳。なごみ典礼のスタッフ。
    執事のように穏やかな口調と物腰、
    抜群の推理力を持つ葬儀のスペシャリスト。
    スマートな紳士の顔には裏があるようで……。

  • 藤原ふじわらみやび

    54歳。なごみ典礼のスタッフ。
    8000件以上の葬儀を経験している輪花の教育係。
    華やかで凛とした女性。

  • 清水しみずたいら

    25歳。なごみ典礼のスタッフ。
    新人にも優しく明るくやんちゃでノリも軽いが、
    意外と鋭い観察眼がある。

  • 西宮にしみや万里江まりえ

    輪花の叔母でフラワーアーティスト
    輪花のよき相談相手だったが病気で48歳の若さで急逝する。

  • 権藤ごんどうまさし

    58歳。なごみ典礼清澄会館の館長で輪花たちの上司。
    熊のような風貌で愛嬌たっぷり、飄々とした雰囲気。

  • 森川もりかわ大覚だいかく

    尊明寺の副住職で伊織の幼なじみ。
    見た目も性格も豪快。

  • 紫藤しどう百合ゆり

    生花部で働く美女。
    雅ともつきあいが長く仲がいい。

  • 末広すえひろ八重子やえこ

    配膳担当の古株スタッフ。
    ハードワークな輪花たちにおやつをくれる関西弁マダム。

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台風シーズン到来の9月。
葬儀が立て込んで忙しい輪花たち『なごみ典礼』スタッフの間で
ポルターガイストの目撃情報が続出して……!?

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  • お通夜

    「お通夜」は、故人と親しかった人たちが、亡くなった人を囲んで一晩過ごす時間を設けること。
    本来は一晩中だったが、現代は簡略化されて、だいたい21時には通夜振る舞いも終わる形式になっている。
  • 告別式

    故人にお別れを告げる式のことで、主に仏式のときに使われる言葉。
    仏式でも浄土真宗では「告別式」といわないこともある。神道では「葬場祭」という。
    告別式やそのほかの出棺前の儀式をひっくるめて「葬儀」という。
  • 喪主(もしゅ)、施主(せしゅ)

    喪主は遺族を代表する人。施主は葬儀代金やお布施を支払う人。
    施主は遺族とは限らず、友人や仕事関係者がつとめることもある。
  • ビキマエ

    「友引」の前日のこと。
    友引は火葬場が休みで出棺ができないため、その前日はお通夜の施行がなく、葬儀屋さんもお休みをとることが多い。
  • 七日込み

    「七日組み込み」の略。繰り上げの初七日法要を告別式と一緒に行うこと。
    火葬場から戻ってきてから行う場合は「戻り初七日」という。
    また初七日は亡くなった日をふくめた7日目のことを言うので、葬儀がすぐ行われなかった場合は当日すでに過ぎていることもある。
  • 白木の位牌

    通夜から使う仮の位牌。仏壇などに飾る黒い本位牌に切り替えるのは、四十九日法要が終わってからになる。
  • 灰均(なら)し

    香炉の灰掃除に使用する小さな金色のヘラ。数珠とあわせて葬儀屋さんの必需品。

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  • 面白かったです! 葬儀にはいろいろな形があると知ることができました。
    でもどの形を選んでも、故人の死を悼み、生きていてほしかったと願う気持ちは同じなのかもしれません。
    葬儀を機に故人と向き合い新たな関係を結びなおす、
    そのお手伝いをするのが葬儀屋さんの仕事なのだと思います。
    輪花の失敗も成長も、すべてが微笑ましく、応援しながら読みました。

    (レビュアー)

  • お葬式ってなんだか怖くて寂しい認識がありましたが、悲しくも心温まるお話ばかりで、
    故人との最期のお別れを大事にしようというイオリさんの優しい謎解きに感動しました。
    輪花が成長してゆく姿も良かったです。
    あまり馴染みの無い葬儀屋さんのお仕事が詳しく描かれていて勉強にもなりました。
    素敵な作品をありがとうございました!

    (書店関係者)

  • 準備をしてから亡くなる人ばかりではなく、また、亡くなり方によってはすぐに葬儀もできず、
    葬儀社さんは、様々な対応をしなくてはなりません。 謎解きという内容で、
    葬儀のことを知れるきっかけになるストーリーだと思いました。
    突然やってくる身近で必要な内容であるに関わらず、ほとんど知らない葬儀の話。
    重くなりすぎず読めてとても良いと思いました。

    (レビュアー)

  • 最期の別れ。もう会えないその人との別れの場。そこで何も思い残すことがないように、
    故人を愛おしく偲ぶ気持ちだけにして送り出す。
    それは素敵なサポートだ。笑顔で、とは言えないその場を少しでも心軽く、
    穏やかに過ごせるように心を砕く様は心温まる。
    辛いひとときだからこそ、なおさら温かい。

    (教育関係者)

  • 事件を解決するのではなく犯人を見つけるのでもなく、「想い」を紐解く新しいミステリ。
    どの話も読み終わったあとは、あたたかい気持ちに包まれました。
    大切な人を亡くしたときは喪失感ばかりがやってきてしまうけれど、
    その人が残した想いまで失わないよう、
    しっかりと受け止めることの大事さに気づかせてくれた素敵な物語でした。

    (書店関係者)

  • 家族の最期のお別れの時、とても親身になってくれた葬儀屋さんを思い出しながら読みました。
    葬儀屋に転職した薬剤師。
    お葬式の知識も織り込まれていて、謎解きをしながらのお仕事小説でした。
    様々な形のお葬式が描かれていました。
    最期のお別れを大切にしてくれる素敵な葬儀屋さんのお話。
    またイオリさんの謎解きのお話を読みたいです

    (レビュアー)

表紙

謎解き葬儀屋イオリの事件簿
―いつかの想いをつなぐお仕事―

  • 著:持田ぐみ
  • イラスト:おかざきおか
  • 発売日:2022年2月19日
  • 価格:770円(本体700円+税10%)

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