アヒルと犬とそらいろ食堂 季節めぐる、忘れじの記憶

動画

ストーリー

5年付き合った彼氏と婚約破棄をした観月葵は、都会から祖母が暮らす神白村に引っ越し、「そらいろ食堂」を開く。
人との関わりが苦手ながらも、いつか自分の食堂を持つのがのひそかな夢だった。
食堂の看板鳥・看板犬は、食いしん坊なアヒルピー君と、おっとりマイペースな雑種犬ハチ
ピー君ハチをきっかけに訪れるのは、家族関係に悩む大学生、村でちょっぴり有名な変わり者、はたまた妖怪の姿もあって――。

自然とみんなが集まる「そらいろ食堂」で、もまた、亡き母の過去と想いに向き合っていく。

のんびりと流れる村の住人との特別な時間を、できたてごはんとともに召し上がれ。

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キャラクター

観月 葵 観月 葵
観月 葵 みづき あおい

5年付き合った彼氏に婚約破棄され、祖父母が暮らす神白村に引っ越してきた。
人とのコミュニケーションは苦手だが、幸せな思い出が残る料理を作りたいと思い、「そらいろ食堂」を開く。
食堂に訪れる人たちと徐々に打ち解けあい、平和な日々を過ごしている中で、葵の亡き母の過去や思い出を知ることになる。

緋山 龍司 緋山 龍司
緋山 龍司 ひやま りゅうじ

葵が小学生の頃神白村で仲良くなった初恋の相手。
大人になり米農家としてそらいろ食堂に龍司が訪れ再会する。
将来は子ども食堂を開くのが夢。

アサ子 アサ子
アサ子 アサ子

葵の祖母。葵が神白村で食堂を開いてからは、ほぼ毎日足を運んでいる。
笑顔が葵とそっくりな腰を90度に曲げた元気なおばあちゃん。

ピー君 ピー君
ピー君 ピー君

葵が食堂を開く前に飼ったアヒル。天真爛漫で食いしん坊な性格で、そらいろ食堂に来るお客さんに興味津々。

ハチ ハチ
ハチ ハチ

そらいろ食堂で飼われている雑種犬。以前は村の皆で飼っていたが、ハチにもちゃんと家があった方がいいということで葵が飼うことに。
おっとりな性格で、ご飯をピー君に横取りされていても怒らず気にしない。

ミズハ ミズハ
ミズハ ミズハ

イタチの妖怪。市松模様の着物姿で、よく村をパトロールしている。
葵が幼少の頃から見守ってくれている。

ユキ ユキ
ユキ ユキ

狐の妖怪。人間の少女に変化することができ、変化している間は人間にも見える。
葵の母のことを慕っていた。

タヌキ三兄弟 タヌキ三兄弟
タヌキ三兄弟 タヌキ三兄弟

タヌキの妖怪。噂好きでいつも三匹で行動している。
美味しい食べ物も大好きで、よくそらいろ食堂に顔を出す。

ストーリー

チゴモリの笛

 後ろを気にしながら歩いていた雑種犬のハチが、立ち止まって私を見上げた。私は「またか」と、ため息交じりに振り返る。すぐ後ろを歩いていたはずのアヒルのピー君が、少し離れた草むらに頭を突っ込んでいた。

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特別イラスト

カバーイラストラフ別案

イラストレーター・かない先生によるカバーイラストラフ別案を特別公開!
「そらいろ食堂」の名からイメージした透き通るようなスカイブルーのラフ案。

レビュー

見ていて安らぐような、空色を映した食堂の壁が目に浮かぶような物語でした。
主人公の葵ちゃんをはじめ、登場人物たちは重たい荷物めいたものを抱えた人ばかり。
辛い記憶、すれ違う心、他者に分かってもらえない苦しさ、もどかしい怒り、出会い、何気ない食事の時間と会話、別れで繋がる心……そういった感情のゆらぎが丁寧に伝わってきました。

書店関係者

アヒルのピー君、犬のハチ、あやかしのミズハもユキちゃんも一緒にいるのがあまりにも自然で、見えてないだけでそういう存在は案外身近にいるのかもしれないな、と思ってしまいました。
葵ちゃんが真心こめて作ったそらいろ定食は温かくて美味しいんだろうな。
おじいちゃんおばあちゃんの憩いの場になるのがよくわかります。
人の生きる時間は限られているから、少し先の未来の明日のために毎日を丁寧に生活して、心残りをなるべく作らないようにする大切さを実感しました。

書店関係者

物語の中を流れるゆったりとした時間に、心が癒される。
そして気が付く。そうか、そんなに先を急いでページをめくらなくてもいいのだと。
田舎の風景、アヒルや犬、妖怪、村の人々の姿が鮮やかに目に浮かぶ。
もちろん素朴でおいしそうな料理の数々も。
久しぶりにゆっくりと本を味わい、穏やかな気持ちになれました。
あたたかな気持ちになれる一冊。

図書館関係者

アヒルと犬とそらいろ食堂 季節めぐる、忘れじの記憶

表紙
  • 著:如月つばさ
  • 装画:かない
  • 発売日:2025年8月20日
  • 価格:792円(本体720円+税10%)

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