ことのは文庫×エブリスタ
「ライト文芸賞」大賞受賞作!
常世と現世のあわいにある、日本橋の紙問屋《雪魚堂(せつなどう)》。
そこを訪れる客は、白銀の紙雪が舞う不思議な百鬼夜行に誘われるという。
転職活動中の猪瀬成海(いのせなるみ)は、ある日雪魚堂に迷い込み、
黒ずくめの少年・カナと、胡散臭さ満点の店主名代・魚ノ丞(なのすけ)に出会う。
次の勤め先が見つかるまで、その店の手伝いをすることになった成海は、
様々な心の痛みを背負った客人たちとの交流の中で
彼女自身も忘れていた、ある「真実」へと辿り着くのだが――。
訪れるお客さんたちの心の傷を癒すために、毎夜行われる百鬼夜行。
そこで「癒された心模様」は、世界でたったひとつの、美しい色柄の和紙となる――。
そんな、日本橋にある素敵で不思議な紙問屋さんで起こる、奇跡と救いの物語。
◆編集部による受賞総評◆
「『夢かうつつの雪魚堂~日本橋、みこころうつしの紙雪舞う~※』は
会話の独特のリズム感やテンポ、
そして掛け合いの内容自体の面白さに噴き出してしまうこともしばしばでした。
どれだけ辛い光景を描いていても、
そこに必ず救いとなる一条の明るさを読む側に見出させることのできる描写力は、
本作の非常に強力な武器だと感じます。」
※書籍化にあたり、サブタイトルを変更しました。