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陰陽師と天狗眼 ―クシナダ異聞・女神の章―

陰陽師と天狗眼 ―クシナダ異聞・怨鬼の章―

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陰陽師と天狗眼 ―潮騒の呼び声―

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陰陽師と天狗眼 ―冬山の隠れ鬼―

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陰陽師と天狗眼 ―巴市役所もののけトラブル係―

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  • story

    陰陽師と天狗眼 ―クシナダ異聞・女神の章―

    怨鬼のとり憑いた「神楽面」を取り逃がした美郷みさとたち
    「広島県巴市役所特殊自然災害(もののけトラブル)係」。
    事件の起きた安芸鷹田の市役所や警察官などをはじめ、
    これまでにないレベルで「一般人」を巻き込み、事件解決へとむけて再始動するが、
    まさにその一般人である大学生の由紀子ゆきこにも、怨鬼の魔の手は忍び寄って来ていて――。

    「知らしめましょうぞ。ここに、怨みのあることを」

    誰からも、自分からも知られることなく、それでも確かに在り続けた想いの化身に、
    美郷と怜路りょうじ、そして広瀬ひろせが真正面から向かい合う――!

    陰陽師と天狗眼 ―クシナダ異聞・怨鬼の章―

    • ストーリーは
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      巴市の特殊自然災害(もののけトラブル)係へ隣市より応援要請があり、
      美郷みさと怜路りょうじ広瀬ひろせの三人が
      派遣されることに。
      事件の概要は
      「封じられていた神楽面が消えた」
      というもの。
      広島神楽を研究している
      大学生・由紀子ゆきこの協力も仰ぎ、
      事件解明に努める中、
      「消えた神楽面」をつけた不審な男が
      由紀子の父を襲い、
      警察が出動する事態となる。
      これをきっかけに
      「面に取り憑かれたモノ」が、
      各地で事件を巻き起こすように。

      「なれば、鬼にでもなってみれば
      宜しゅうはございませぬか」
      どこか甘やかな囁きとともに、
      神楽面は彼らにそっと忍び寄る――。

    陰陽師と天狗眼 ―潮騒の呼び声―

    • ストーリーは
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      広島県の離島・神来島。
      島唯一の高校生・神木八重香は、
      神来白鬚神社の巫女でもある。
      彼女が仕える神は海からこの地に流れ着いた漂流神――「斎木神いつきがみ」だ。
      彼岸の日、島の釣り場を訪れたフリーランス山伏の狩野怜路かりのりょうじは、
      突然の大波に攫われ行方不明に。
      その海の様子に、公務員陰陽師の宮澤美郷みやざわみさとは、
      圧倒的な力を持つ「何か」の
      存在を感じ――。
      大人気の妖魔・白太さんが
      大活躍の一編
      『白太さんの家出』も収録。
      シリーズ待望の第3弾!

    陰陽師と天狗眼 ―冬山の隠れ鬼―

    • ストーリーは
      こちら

      狗神退治を無事に終えた広島県巴市の公務員陰陽師・宮澤美郷みやざわみさとのもとに、
      新たな「特殊自然災害もののけトラブル」解決の
      依頼が舞い込む。
      同時にフリーの山伏・狩野怜路かりのりょうじのもとには、出雲から内密に
      人捜しの依頼が来ていた。
      捜す人物は鳴神克樹なるかみかつき
      それは美郷の愛する弟だった。
      調査を進めるうち、二つの事件に
      共通のキーワードが浮かび上がる。
      それは「鬼ごっこ」――。

      広島もののけ×お仕事ファンタジー
      第2弾!!

    陰陽師と天狗眼 ―巴市役所もののけトラブル係―

    • ストーリーは
      こちら

      古より怪異と
      隣り合わせの町・広島県巴市。
      巴市役所の「危機管理課特自災害係(通称もののけトラブル係)」に
      採用された、
      出雲の高名な陰陽師一族出身ながら、少し訳ありの
      黒髪美青年・宮澤美郷みやざわみさとと、
      幼い頃に在野の天狗を名乗る男に
      拾われ、フリーの山伏となった
      金髪・緑銀眼の
      熱血系イケメン・狩野怜路かりのりょうじ
      いきなり同居することになった異色のふたりが、
      現代に起こる怪異を華麗に、
      そしてお役所仕事に追われながら
      解決していくことに――。

      広島を舞台に、
      異色バディがお届けする
      「もののけ」ファンタジー!

    試し読みはこちら

    キャラクター紹介

    • 宮澤美郷
      みやざわみさと

      宮澤美郷

      公務員として働くために、巴市にやってきた陰陽師。
      実は大きな一門の当主の子だが、実家とは絶縁し、別の姓を名乗っている。
      絶縁に至った事件は、業界では有名。
      自身は婚外子で、嫡子の弟がいる。
      引っ越しトラブルで住む家がなくなって公園で途方に暮れていたところを、怜路に誘われて彼の家に下宿することになった。
      怜路曰く「意外と付き合いの良い、美貌の貧乏下宿人」
      ネーミングセンスがなく、ペットの名を怜路に「乳酸菌か」と誹られた。

    • 狩野怜路
      かりのりょうじ

      狩野怜路

      怪異を見通す『天狗眼』を持つ青年。
      チンピラファッションながら、非常に優秀な拝み屋として、地元の不動産業者などに信頼されている。
      幼少期の記憶がなく、家族や仲間との「絆」に恵まれず生きてきた。
      恩人の子を守るために命を捨てる覚悟をしていたところを、下宿人の美郷に救われる。
      美郷曰く「格好だけチンピラのお人好し大家」
      普段は鉄板焼き居酒屋のアルバイター。よく美郷に飯を食わせている。

    • 白太さん
      しろたさん

      白太さん

      美郷の体内に棲んでいる「白蛇の妖魔」。
      体は真っ白で赤い目を持つアオダイショウ。
      体のサイズをある程度自由に変えられ、最大サイズの太さは大人の太ももほどもある。
      普段、美郷が起きている間は美郷の体内で眠っており、美郷が眠ると起きだして、周囲のもののけを食べる。
      美郷が襲われると内側から警告したり、咄嗟に身体から飛び出して守ろうともする。
      「白太さん」と常に美郷が呼びかけていたため、「さん」まで含めて自分の名前だと思っている。

    • 広瀬孝之
      ひろせたかゆき

      巴市役所勤務の公務員。新卒二年目にして管財課住宅営繕課から、美郷と同じ総務部危機管理課特殊自然災害係へ転属となる。美郷とは高校時代の同級生。市役所で久々に美郷と再会し、仲の良い友人だと思っていた相手の事情を何も知らなかった自分にショックを受けていたのだが──。

      高宮由紀子
      たかみやゆきこ

      広島在住の大学生。卒業研究で広島神楽を扱ったことから、神楽面の絡む今回の事件解明のため、インターンとして急遽安芸鷹田市役所にて働くことに。美郷と広瀬とは、実は出身高校が同じ。神楽という共通の話題を持つ友人・亜沙美がプロダンサーを引退することに衝撃を受けるが──。

    キャラクターインタビュー!

    第3巻発売を記念して、今回はなんと、本作の主役である美郷&怜路に緊急インタビューを実施!知られざる彼らの素顔が明らかになる……!?

    キャラクターインタビューはこちら

    書き下ろしSS

    美郷と怜路+白太さんのとても暑くて熱くてちょっと切ない一日の物語。

    九月に入り、秋らしく涼しい気候になって安心したのもつかの間、
    暑さがふたたびぶり返したある日のこと。
    若干バテ気味の美郷の前に、怜路が運んできたものは――。

    『陰陽師と天狗眼』特別編
    「白き山に露結びて」
    ここに開幕!

    書き下ろしSSはこちら

    キャラクターラフ

    ここでしか見られない!美郷と怜路のキャラクターラフを特別公開

    書影が発表になった後、「かっこいい!」「美しすぎる!」という
    絶賛の声が寄せられた、本作のカバーイラスト。
    作品世界と、主人公二人を完璧に表現し尽くした、
    見事なこのイラストをご担当くださったのは、大人気のイラストレーター・カズキヨネ先生。

    今回は『陰陽師と天狗眼―巴市役所もののけトラブル係―』刊行記念として
    書籍には収録されていない、「美郷と怜路のキャラクターラフ」をご紹介します!

    そして、カズキヨネ先生からはキャラクターができあがるまでの作成秘話が、
    作者の歌峰由子先生からは、そのキャラクターラフを初めて見た時の感動のご感想が到着。

    この機会にぜひご覧ください!
    美郷、怜路キャラクターラフ
    • カズキヨネ先生コメント

      この度は「陰陽師と天狗眼」の装画を描かせていただき有難うございました。
      キャラクターの人となりがとても生き生きと書かれている作品ですので、美郷も怜路も本文を読む過程で出来あがったイメージをそのままアウトプットしました。

      普段の美郷の表情は困り眉のアルカイックスマイルで美人な造形を忘れがち、という事でしたが
      装画では全体的な彼の内面を表して影のある冷たい、けれど何かを見つけたような雰囲気で立ってもらっています。

      怜路はヤンキーのような見た目にそぐわない錫杖を持っているというのがすごくツボに来たので装画で抱えてもらいました。
      絶対似合うと確信しているので鉄板焼きバイトコスチュームなど機会があったら是非……!

    • 歌峰由子先生コメント

      このたびは、カズキヨネ先生に陰陽師と天狗眼の装画を描いて頂き、本当にありがとうございました。ラフも装画も、拝見した時は舞い上がってしまい、一日じゅうフワフワしておりました(笑)

       初めてラフを拝見した時の感想は、「凄い! 美郷と怜路だ!!」でした。超美麗な美郷と超イケメンな怜路にドキドキしたのですが、同時に、間違いなくあの二人だなあと分かる顔立ちや表情で。ラフの美郷は困り微笑なのですが、表紙だと話の終盤に顔を出す、美郷の「素」が前面に出ていて、驚いたのと同時に、変な話ですが「本当にお話の中身から決めて頂いたんだ」という実感が湧いて感動いたしました。

       また、美郷のスタンドカラーシャツが凄く似合っていて大変美々しかったり、怜路の髪型やピアス、錫杖のデザインなど細部が凄かったりと、様々に感動しておりました。本当にありがとうございました。

    レビュー

    陰陽師と天狗眼 ―クシナダ異聞・女神の章―

    大丈夫。君は君の心のままに生きられる。そんな声が聞こえたような気がした。それに伴う結果や責任も含めて、すべてが君の人生、君のものなのだから。そんな生き方は一見、あえて困難に立ち向かうことにも感じるけれど、本当は、すべてを自分のものとするそれが、自分にとって一番自然な無理のない道を力強く歩むことになるのだろう。
    広瀬だからこそ持っている言葉。由紀子だからこそ歩み出せる道。苦しみの末につかめた彼らの未来も楽しみだ。

    前巻で大切な友人広瀬を思いやるあまり、また自身の在り様への不安から弱さを露呈し、唯一無二の相棒怜路の存在に救われた美郷だが、この巻では本来の強さを発揮する。なかでも、自分を裏切った世界を忌みながら、それでもそこに在ることを望み続けた美郷が、自分と世界との関係を修復できる可能性に気づいた時に動いたことは、特筆に値する。それがもたらした結果は、「おんてん」全体に対する私の見方をガラリと変えてしまうほど大きなものだった。詳細は述べないが、元々大好きだったこの作品を更に好きになった。そしてこの相棒コンビを好きな人なら間違いなく歓喜する、美郷の大きな変化は他にもあるので、是非ご覧いただきたい。クシナダ異聞は「おんてん」の大きなターニングポイントだ。

    白太さんのかっこかわいさは今回も爆発した。最後の最後に見せる愛らしさも、広瀬の対応とともにとてもよかった。

    怨鬼対応にかかわったすべての善き人々、善き人外たちを祝福したい。皆とても素敵な方々だった。
    この作品が描き出す人と人との様々な関係性や、人を思う人の心の複雑さや優しさがとても好きだ。途中どんなにつらく悲しいことがあろうとも、読み終わった後に温かなものをもらえている、だからまた繰り返し読みふけることになる、そんな作品だ。

    レビュアー


    前巻では『特別な人』である美郷の辛さに焦点を当てた物語は、今巻では『普通の人』である広瀬や由紀子の辛さに当てられます。家庭に問題があるわけでは無く、経済的にも恵まれている。そんな『恵まれた』『普通の』二人は、『特別な』人達の辛さへの遠慮から自分の辛さを口に出すことなく飲み込んでしまいます。
    そんな二人の周囲の辛さは今はリアルよりネットの方に多く見られるのかもしれません。嘘か誠か真偽のつかない『特別な辛さ』や、亜沙美のような刺々しい言葉、一方的な価値観を押し付ける論調。それらに巻き込まれたり、偶然に見てしまって、ひっそりと傷ついてしまう人達にも、美郷が広瀬にかけた言葉を、広瀬が由紀子にかけた言葉を届けてあげられたら、と思いました。
    そして、『特別な』美郷と怜路にも、事件を通して、警察、一般の神楽研究者、神楽団など、大勢の人達が手を貸してくれます。いつになく大人数での事件解決への動きに、孤独だった二人を思い、嬉しくなりました。
    ラストは可愛らしいカーテンコールに穏やかな終幕。ずしりと重くも、少し心が軽くなる、読み応えたっぷりの物語でした。

    レビュアー


    第四巻から繋がる第五巻。《もののけトラブル係》は大ピンチを迎えています。
    どうやったら捕えられるのだろうか、美郷と怜路たちは手がかりを求めて奔走していきます。
    前作に引き続き「普通」であることに悩み、「普通ではない」ことに悩み、人とはなんと悩みの多いことでしょう。
    自分の今までの生き方は「普通」であったのだろうか。
    誰かにとっての「普通」のためにと思う気持ちはなかったのだろうか。
    他人の目を気にして諦めたことはなかっただろうか。
    ただのもののけの物語ではなく、人としてどう成長していきたいのか、どう関係を築いていきたいのか、本当の気持ちをどう伝えたらいいのかという、今回も人間の心模様の描かれ方がとても深かったです。今「辛い」と感じるならそれを言葉にして吐き出してしまおうと思うと心が軽くなりました。
    前作で初めて広島の神楽のことを知りましたが、今作も神楽の話がたっぷり出てきます。そして参考文献の多さにもびっくりです。いつかぜひ本物の神楽を見に行きたいと思いました。

    愛されキャラの白太さんの可愛さは増すばかりです。
    嫌われたくない思いや、ちょっとヒスったり、嗚咽したりと抱きしめてあげたくなりました。ラストの白太さんの姿はもはや反則級の可愛さでした。

    レビュアー

      陰陽師と天狗眼 ―クシナダ異聞・怨鬼の章―

    • レビューは
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      地方を舞台にもののけトラブル案件を「お役所仕事で」解決していくシリーズの第4弾。
      今回は神楽と鬼女面、そして人間の怨念や情念が絡む事件。しかもシリーズ初の、警察まで巻き込んでしまう大事件になっていきます。
      ままならぬ人生を歩んでいるといううっすらとした自覚があると、鬼女面に取りつかれていく気持ちがよくわかります。
      それこそが今回の大事な感情の一つであり、どの登場人物にもどこかしら感じるものがあります。

      神楽に詳しくない読者でも、地の文やキャラクターのやり取りでなんとなくわかるようになっているので読みやすく、お役所仕事あるあるも健在。
      そして、主役二人のさらに深まった仲にも目が離せません。

      レビュアー


      市役所に奉職してから1年半(冒頭の前日譚はちょうど1年)経った頃、美郷と仲間2人は隣市で起きた事件へ応援派遣される(災害応援派遣も現実で多くある)。
      2週間で解決すべき事件であったが、組織としても未だかつて経験のない大規模な事件へと発展していく。
      それに専門職として未熟ながらも対峙せねばならない葛藤。これまでの物語で逡巡してきたことが、改めて美郷を苛む。
      また本編のもう一人の主役である友人・広瀬。自称「普通の人」は「普通の人」ばかりいる社会では特に問題なく生きているが、周囲が「特殊な人」ばかりになると途端に「普通」の足元を掬われてしまうようだ。
      「普通」に囚われた挙句自己評価が低くなりさらに韜晦しはじめる広瀬。自分自身の特殊性にどう「普通の人」と折り合っていくのか思い悩む美郷。
      お互いへの理解が滑って辛い展開だけに、事件の行方とともにそちらも目が離せない。

      実は異形のものを身に宿す美郷であるが、終わらぬ葛藤とともに徐々にそれを許容していく。その許容の過程で気づく、自己の異形化であるが、むしろ美郷自身はどんどん「人間味」を増していっているように思われてならない。
      異形のものである「白太さん」については、ここでは書かない。癒しである。今回も何度も癒された。本作のファンの中で断トツの人気を誇るこの愛しいものについては、是非ご自分の目で確かめて欲しい。なお、来年は巳年である。

      レビュアー


      春、特殊自然災害係に異動になった広瀬は、事務職員ながら人手不足により、美郷や怜路たちと現場に向かうことになる。
      もののけを見ることも祓うこともできない、『普通のひと』である広瀬ができることと思うこと。おそらく読者により近い彼には、たくさんのエールを送りたい!
      一方で、「面に取り憑かれたモノ」と対峙した美郷は、かつての夜を思い返し――尽きぬ悩みを抱えながら、改めて怜路の存在を認識する。
      やっと気づき始めたそれは、互い境界に立つ者同士であるだけでなく、一緒に過ごすなかで濃く強くなっていった繋がりなのだろうと思う。

      もののけ側も人間側も登場人物がぐんと増え、それぞれの人物に立場や悩みがあって、読んでいるうちに自身を顧みてはうっかり「面」に取り付かれそうな怖れを覚えながら読み進んだ。
      尾関山の桜や広島の神楽と温泉施設、今回も地域に密着した舞台が描かれ――特に神楽は、今回の事件に大きくかかわっているようで、逃亡した面や若者たちの悩みの行方とともに、続きを楽しみに思う。

      レビュアー

    • 陰陽師と天狗眼 ―潮騒の呼び声―

    • レビューは
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      今回刊行された3巻は、それぞれ別のキャラにスポットライトを当てている話が3つ収録されている。
      そのどれも独立した話としても面白く拝読したが、全てが3つめに収録されている表題作『潮騒の呼び声』と濃密にリンクしているのが最大の特徴に思えた。
      こちら側とあちら側の関係性や「名」と役割を与えること、そして、人と人とのつながりと関係性が、見事に『潮騒の呼び声』にまとまっているのは感動だった。
      作者の持ち味であるふんだんな情景の美しさと自然の畏怖を感じる描写は「神」との対峙と、そこにまつわる決断をさらに魅力的に際立たせてくれていた気がする。

      レビュアー


      今回は『白太さんの家出』と『潮騒の呼び声』の2本立てでしたが、閑話の『鳴神克樹の再訪』がとても良い役割を果たしていたと思います。
      まず『白太さんの家出』で普通になりたかった比阪恵子の為に普通ではなくなった美郷。
      その2人の姿と閑話『鳴神克樹の再訪』で兄に対して負い目を感じている弟、克樹の決意を目の前で確認した怜路が『潮騒の呼び声』でついに自分の過去と対峙することになります。
      前作までとは違い、今回は狩野怜路に大きくスポットを当てた作品となっているので、怜路ファンには見逃せない作品となっていると思います。大変オススメです。

      レビュアー

    • 陰陽師と天狗眼 ―冬山の隠れ鬼―

    • レビューは
      こちら

      続編、とても楽しみにしておりました。
      今回も、美郷と怜路の語らずとも分かり合っていて、息の合った姿にハラハラワクワクしながら読みました。
      また怜路だけでなく、美郷の周りのみんなが互いに連携している様子はとても温かく、胸が熱くなりました。
      良い事も良くない事も日々様々あり、その中で何かしら選択する。お話を通して、自分で決めること、自分の意思の重要性を改めて感じました。誰かに言われたから、決められたからではなく、自分の意思で選択し、行動することで力強さを増すと感じました。
      そして今回の白太さんにびっくり。美郷と怜路だけでなく、白太さんも大活躍で面白かったです。
      私の知っているかしわ餅と違うこと、その土地で違うのだと初めて知りました。物語を通していろいろな土地のあれこれが分かるのも、嬉しいですね。

      書店関係者


      前巻、狗神事件で同居人の大家、狩野怜路を救い、巴市に足を着けた美郷に今度は彼が置いてきた過去が追い掛けてくる。
      追うのは、美郷が昔「鳴神の居場所」としていた弟の克樹。その後ろめたさと彼への兄としての愛情に大きく揺れる美郷は……。
      しかし、もう彼は一人ではないんですよね。特殊自然災害(もののけトラブル)係の先輩達、受け入れた己の分身の白蛇、白太さん。そして怜路。皆の協力を得て、哀しい鬼と一緒に括られてしまった克樹を救い出し、独りぼっちの『鬼ごっこ』を終わらせようと……。
      前巻同様、リアルなお役所事情に、それとなく疎外された新住民などの田舎の事情、それに土地の過去の惨い記憶が重なって、冬にふさわしい重さとそれを救う良縁、奇縁が綴られたオカルトお仕事譚でした。

      レビュアー

    • 陰陽師と天狗眼 ―巴市役所もののけトラブル係―

    • レビューは
      こちら

      ある職種の採用で、倍率500の狭き門をくぐり抜けた市役所の新人職員、宮澤美郷。
      22歳の男性で、サラサラな黒髪ロングヘアを後ろで束ねるという市役所では珍しいヘアスタイルで、顔立ちも大変に美しい。
      広島県巴市役所には特殊自然災害係という名の怪異対策班が設置してあり、力のある術者を技術者として採用している。美郷はこの係に配属されたエリート陰陽師だった。
      新居への引越し当日、トラブルで途方に暮れていたところ、不思議な瞳の色をした金髪ピアス男怜路に救いの手をを差し伸べられ、彼の住む古い民家の離れで部屋を借りることに。
      美郷は自身が○○○という大きな秘密を抱えながらも新人職員として慣れない市役所の煩雑な仕事に奮闘し、怜路や上司達と少しずつ打ち解けていくのだが…。
      術者としての凄腕もありながら、お役所でせっせと事務仕事や電話対応をしたり、日常的な生活能力が若干低めという、ギャップがある所もかわいいです。陰陽師だけれど雅で綺麗で神秘的…なだけじゃありません!
      怜路との物語も面白くて、ぐいぐい引き込まれました。おすすめします。

      レビュアー


      古代からの神々の気配が残る広島県巴市の危険管理課特殊自然災害(もののけトラブル)係に新卒採用された宮澤美郷。しかし、彼の公務員ライフは最初から引っ越し先のダブルブッキングとトラブルだらけで。そんな彼をダンボールの子猫のごとく拾い、自宅の離れに住まいを提供したのが天狗眼を持ち、天狗に育てられたという『拝み屋』狩野怜路だった……。
      一見、優しげで大人しげな美青年、美郷は、その外見からは思いもよらないほどの過去と過去の異物を抱え込んでいます。それ故に「普通」に憧れながらも心は現世と異界の境目のほとりでふらついているような彼が少しずつ怜路や上司達により、人の世で生きる手がかりを掴んでいきます。
      しかし、その一番の手がかりとなる怜路もまた彼とは別の事情を抱え込んでいるようでもあって……。
      「もののけトラブル係」が現実にあったら、こんな感じだろうか? というお役所仕事のリアルさと、地元広島の地域性や伝承を背景に、本当にいそうな「もののけ」達のリアルさ。
      現実と地続きにありそうな、二つのリアルさが面白い、お仕事系オカルト小説でした。

      レビュアー

    陰陽師と天狗眼 ―クシナダ異聞・女神の章―

    表紙
    • 著:歌峰由子
    • 装画:カズキヨネ
    • 発売日:2025年5月20日
    • 価格:847円(本体770円+税10%)

    陰陽師と天狗眼 ―クシナダ異聞・怨鬼の章―

    表紙
    • 著:歌峰由子
    • 装画:カズキヨネ
    • 発売日:2024年11月20日
    • 価格:792円(本体720円+税10%)

    陰陽師と天狗眼 ―潮騒の呼び声―

    表紙
    • 著:歌峰由子
    • 装画:カズキヨネ
    • 発売日:2023年5月19日
    • 価格:847円(本体770円+税10%)

    陰陽師と天狗眼 ―冬山の隠れ鬼―

    表紙
    • 著:歌峰由子
    • 装画:カズキヨネ
    • 発売日:2021年12月20日
    • 価格:814円(本体740円+税10%)

    陰陽師と天狗眼 ―巴市役所もののけトラブル係―

    表紙
    • 著:歌峰由子
    • 装画:カズキヨネ
    • 発売日:2020年8月20日
    • 価格:759円(本体690円+税10%)

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