この世ならざる場所を駆ける『星屑鉄道』は、悩める人の前にふと現れる。

その「食堂車」で提供されるのは、きらきらと輝く「鉱石スイーツ」だ。

この列車の車掌は、底抜けに明るく人間が大好きな「死神」
スイーツを作るのは、人間の助けになりたい物憂げな「堕天使」
二人のもとに鉱石を運ぶのは、幼い見た目だが尊大な「賢者」

この風変わりな彼らときらめくスイーツが、
「乗客たち」を「ふたたび前を向いて生きる」方向へと導いていく――。

Movie
Movie
Movie

  • 架羽かばねメメ

    『星屑鉄道』の車掌。
    アッシュグレーの髪をした金眼の美しき青年。
    白い車掌服をまとう。私服も白を基調としたものが多い。

    底抜けに明るくポジティブでパワフル。
    人の話を聞くことを好み、車内に迷い込んだ人々の相談相手になる。
    ただし、独特な価値観ゆえに失笑されることも。
    大の人間好きで、長生きすることが喜ばしいことだと思っている節がある。

    正体は、生と死の境界の番人。通称『死神』。

  • 神実かんざねミズハ

    『星屑鉄道』の調理担当。
    深海色の髪を持つ、憂鬱な眼差しの青年。
    カフェエプロンをまとう。漆黒の光輪を持つ。

    口数が少なく無表情気味。
    陰があって近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、
    実は他者に親切で和を重んじる。
    他人を喜ばせることが好きで、
    繊細な作業が得意。
    そして、肝心なメメが大雑把なのも相まって、
    必然的に調理担当になっている。

    正体は、縁結びを得意とする海の使者。通称『堕天使』。

  • 煌星きらぼしルリ

    『星屑鉄道』にやってくる石売り。
    採集した星屑鉱石を鉱石カフェに持ち込む。
    また、星屑鉱石はルリでないと採集できない。
    小柄で華奢、長い髪と可愛らしい顔のため、
    少女と間違われがちだが少年の姿である。

    身体は小さいが態度は大きい。態度と口調が尊大。
    言いたいことをズバズバ言うタイプ。
    それでも面倒見は悪くなく、
    毒づきながらも迷える人の背中を押してくれる。

    正体は、薬草や鉱物に詳しく、知識が豊富な、通称『賢者』。

  • いじめ、恋愛、仕事、自分の存在価値──
    それぞれ悩みを抱えた男女の眼前に現れたのは
    宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を彷彿させる摩訶不思議な星屑鉄道。

    迷い込んだ乗客を迎えるのは、異彩を放つ三人──メメ、ルリ、ミズハ。
    彼らと対話することで自分に足りなかったものが
    「一歩を踏み出す勇気」だと気づく乗客たち。

    キャラ同士の愉快な掛け合いに美味しいスイーツ、
    そして鉱物の知識が得られる一粒で二度も三度も楽しめる物語。

    誰かに背中をぽんと優しく押してもらいたい、
    勇気が欲しい方にお勧めです。

    レビュアー

  • 夜空を走る星屑鉄道、その中にあるキラキラとした鉱石カフェ。
    そして綺麗で美味しいだけじゃない、癒しと応援のスイーツ。
    全てが夢のようで、それでいて現実とも向き合わせてくれる一冊。
    軽そうにみえるけど、誰よりも人間が好きで優しい死神のメメ。
    そんなメメと一緒に迷いの中にいる人達をそっと導いていくルリとミズハ。
    星屑鉄道と3人の力を借りて、癒され、自ら前へ進んでいく人達の姿に、
    読者も励まされ、勇気をもらえるはず!
    そして、星屑鉄道の秘密を知った時、きっとあたたかい優しさに包まれる…!
    あぁ、私も認知が現実になる世界…いってみたい!
    ビジュが爆発してるメメ達に会って、綺麗で美味しいスイーツが食べたいです!!
    こぼれ落ちそうなほど、キラキラが溢れた作品でした!
    素敵な作品をありがとうございました!

    書店関係者

  • 星空を走る列車ときれいな鉱石、まるで現代板『銀河鉄道の夜』のようなお話だった。
    悩みを抱えている人を迎えにくる『星屑鉄道』は星空を走る列車だ。
    列車の中で迎えてくれるのは「死神」「堕天使」「賢者」たち。
    三人はメメ、ルリ、ミズハと乗客に名乗る。
    一話ごとに悩みを抱えてくる人たちが『星屑鉄道』に乗り込む。
    星屑鉄道に乗り込むと食堂車へ誘われる。
    食堂車には「鉱石カフェ」があり、そこで出されるスイーツが
    きらきらと輝いていて美味しそうだ。
    そのスイーツを食べた乗客は心の中が温かくなり、
    背中を押された気分になる。

    白昼夢のような『星屑鉄道』を降りたあとも、その記憶は消えない。
    乗客は自分の悩みに向き合い、一歩進み出す。
    どんなに辛いことがあっても、自分の物語は蓄積され続ける。
    そして自分自身に潤いを与えて輝くかどうかは自分の気持ち次第なのだと気づく。

    私は第三話の「アメシストのタルト」のお話がとても好きだ。
    自分がどうするべきか、相手との適切な距離に悩む乗客にかけられたメメの言葉は
    悩みを具体的に言葉として示してくれ、ミズハのアドバイスは的確なものだった。
    私も自分自身をまず磨こうと思った。
    そして当たって砕けてもどうにかなる、
    だから一歩進んでみようと思ったら元気が出た。

    悩みに大きいも小さいもない。大人にも子供にも悩みはある。
    色んな世代の人の悩みが描かれ、自分の悩みに近いものを感じる人もいるだろう。
    だから幅広い世代におすすめしたい物語だ。

    レビュアー

星屑鉄道の鉱石カフェ

表紙
  • 著:蒼月海里
  • 装画:うごんば
  • 発売日:2024年8月21日
  • 価格:781円(本体710円+税10%)

書店でのご予約はこちらの
予約票をご利用ください

注文書