泣くのが下手になったすべての人へ贈る、
ハーブの香り漂う、優しい再起の物語。
職場のストレスで倒れ、休職してしまった社会人四年目のちよこ。
行き場のない彼女はある日、吉祥寺にあるシェアハウスを紹介される。
そこには管理人の春枝 をはじめ、
歳の近い女性が苦手な史人 、
不登校中の中学二年生・柚紀 など、
世代や性別を問わず、さまざまな「疲れた人たち」がいた。
TikTokで話題沸騰!
『青春ゲシュタルト崩壊』著者の新境地!
加瀬ちよこ
25歳。アパレルブランドの会社の広報室に所属。
人の顔色をうかがいがちで、トラブルが苦手。
職場での人間関係を円滑にするために、頼まれごとを受け入れてばかりでいいように使われてしまう。
現在はメンタルのバランスを崩して、会社を休職中。
マンションの更新期限が迫り、友人に紹介されたことがきっかけでシェアハウスに入居を決める。
椎名史人
27歳。食品メーカーのメニュー開発室に所属。
春枝に対しては紳士的で、ちよこに対しては無愛想で素っ気ないシェアハウスの住人。
仕事熱心で料理に関することになるとよく喋る。シェアハウスの庭でハーブや野菜を眺めるのが趣味。
過去にあったあるトラブルから、若い女性がとにかく苦手。
岸野柚紀
14歳。中学二年生。
元々は正義感が強く明るい性格だったが、いじめられた友達を庇ったことで自分が標的にされてしまう。
しばらくは耐えて学校へ行っていたものの、ある朝突然スニーカーを履くことが怖くなり不登校になる。
叔母である春枝が営むシェアハウスに住むが、人と関わることを恐れ、ほとんど部屋に引きこもっている。
浜口春枝
56歳。シェアハウスの管理人であり、住人。フードコーディネーターであり料理研究家。
仕事が体力勝負な面もあるため、自宅にはトレーニングルームを完備。ジョギング等も欠かさない。
温厚な性格で、趣味はハーブティーを飲むことと写真を撮ること。
五年前に夫が他界。娘三人も巣立ち、広い家はひとりでは持て余してしまうため、シェアハウスを始めた。
ゲラを先読みしてくださった
全国の書店員様から絶賛の嵐!
何らかの傷を抱える人たちが集まって、そんな人たちがどうにか乗り越えていくシェアハウスの話だけれども、特別で完璧な聖人のような人が全て解決していくわけではない所が素敵でした。
日常的にあるのにちょっとしたことで立ち直れないほど折れてしまう悩みも、うまくできないことへの焦燥も、読んでいて身につまされる思いでした。
でもそれを乗り越えていこうとするきっかけをくれるのは、後悔を抱えた隣人たちの次はもっと良くしたいという気持ちからくる思いやりで、それに応え奮いたつ勇気をもてた当人たちに胸が熱くなりました。
その人の全てを知った上での尊敬でなく、たとえ一面しか知らなくても優しくありたいと想ってくれている真実だけで、こんなにも美しくささえあっていけるのだなと思いました。
書店関係者
みんな思うように生きられなくて、思うような自分でいられない。
全てが上手くいかなくても心休まる場所があれば笑顔でいられると、元気と前向きな気持ちをもらえました。
春枝さんの温かさや空気感に、読んでいる私も心解されていきました。
完璧にこなす必要なんてない――。
忙しない日常を窮屈に思っている人にぜひ読んでいただきたいです。
書店関係者
普通であるとか、要領良く振る舞うとか、
そんな周りが決めたことに心から疲れて、ぽろぽろと泣いているような彼女たちが暮らすシェアハウス。
そこのご主人・春枝さんはとにかくどんなことも肯定してくれて、温かくて癒やしの存在。
そんな春枝さんの淹れてくれる真心のこもったハーブティーは傷んだ心をお手当てしてくれる力がある。
住人たちのかけあう言葉も優しさが溢れていて、じわじわっと心に効いていきます。
ちよこちゃんがごはんを美味しいと感じられたとき、黄色いスカートをはいて勇気をだして自分の気持ちを伝えられたときは嬉しかったです。
「おかえり」と「ただいま」が愛しく温かく心に響くお話でした。
書店関係者
ハーブティーの香りに包まれたシェアハウスで、優しさを分け合って元気になっていく登場人物達。
なんて素敵な居場所だろう!と、読んでいて心がポカポカしました。
様々な場所でがんばりすぎて疲れてしまった、シェアハウスの住人達。
みんなの心と身体が解れていく様子がとても良いです。
周囲の人達に求められる「普通」に悩まされたり、自分に完璧を求めてしまったり。
息苦しさでいっぱいになることって、たぶんいろんな人が経験していると思います。
そんな息苦しさをそっと解放してくれるような、優しい作品でした。
そしてハーブティーが大好きな私にぴったりの作品でした!
良い香りが漂ってきて、元気ももらえました。優しい優しい作品を、ありがとうございました!
書店関係者
私もここに住んでみたいです!ハーブティーも飲みたいし!
自分の気持ちを上手く表現できないからこそ、他人の気持ちに敏感になれる。
そんな人たちと「ただいま」「おかえり」と言い合いたいです。
お互いが支え合って生きていってることを実感できるのって結構貴重なことなんじゃないかな。
書店関係者
みんな完璧ではない何か心に悩みを抱えてる人々。
シェアハウスとハーブティーで心を癒され、心の元気を少しずつ取り戻す。
読んでいる私も少しずつ元気をもらえるそんな素敵な作品に出会えて嬉しい。
このままシェアハウスでの生活が永遠に続くような気がするぐらい心地いいのだけど、
きっと彼女たちは少しずつ変わって進んでいくのだろう。
そんな希望が輝いてみえてきてとても幸せな読後感だった。
書店関係者
まどろみハーブティー
吉祥寺シェアハウスの優しい魔法
- 著:丸井とまと
- 装画:まかろんK
- 発売日:2023年8月19日
- 価格:792円(本体720円+税10%)
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