売れないお笑い芸人・カツオ。ライブでは滑り相方とも解散。
お笑いの道を諦めようとした時、先輩芸人からある「店」の噂を聞かされる。
異様な存在感を放つ明治時代竣工の建物、浅草楼閣あさくさろうかく
その中にある愚痴庵ぐちあんという店で
“山姥”に愚痴を言うと、開運するのだとか。

半信半疑で愚痴庵を訪れたカツオの前に現れたのは、
奇妙でハチャメチャな四人の山姥、
そして楼閣の住人たちだった。
しかも愚痴を聞いた報酬はお金ではなく
「風神雷神像に漫才指導」や、
「花やしきでジェットコースターに乗る」など不思議な要求ばかりで……。

楼閣に魅入られたカツオは浅草最大の祭り・三社祭さんじゃまつりにも
巻き込まれていくが、果たして運気上昇の兆しは見えるのか!?

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  • 海野うみのカツオ

    売れない崖っぷちのお笑い芸人。愚痴を聞いてもらいに浅草楼閣にある「愚痴庵」を訪ねたことにより、この場所に魅入られ、入り浸るようになる。 人の心に感じ入りやすく、何かあるとすぐに泣いてしまう。 山姥の一の姥・高楼のことを師匠と呼んでいる。

  • 一の姥・高楼こうろう

    山姥のリーダー格で肝っ玉タイプの一の姥。強さ、気高さ、風格、恐ろしさを持ち浅草楼閣を取り仕切る。

  • 二の姥・花紅かこう

    ゴスロリファッションを好む二の姥。元気な性格で思っていることをストレートに言う、キラキラ系老婆(?)。

  • 三の姥・万里ばんり

    冷静・真面目タイプの三の姥。物事を冷静に判断し、めちゃくちゃになりがちな山姥たちの会話をまとめてくれる存在。

  • 四の姥・森羅しんら

    一見少女のように見える四の姥。三人の山姥たちから過保護並みに可愛がられ、守られている。

浅草楼閣あさくさろうかく

明治時代から浅草に建つ超老朽建造物で町のシンボル。
各階にはそれぞれ奇妙な店が存在している。

  • 高楼、花紅、万里、森羅、4人の山姥たちは個性豊かで服装も性格も濃い濃いです。
    主人公カツオの家族も濃い。登場人物全員が特徴的でした。
    愚痴が愚痴のままで終わればいいのですが、呪詛にまでなってしまうと負の感情が膨れ上がって手がつけられない。
    山姥たちはそういうことがわかっているから愚痴庵にいるのでしょうね。
    自由気ままに変化する山姥が面白かったです。

    書店関係者

  • 山姥たちは、なぜ愚痴を聞くのか。愚痴庵とは、浅草楼閣とは、なぜあるのか。
    肚の底にわだかまり、方向を間違うとどす黒く濁り、ともすると暴走することもあるもやもやとした気持ち――誰もが少なからず経験のある、自分の胸の内との付き合い方を考えさせられる物語だった。

    レビュアー

  • 出てくる登場人物(人以外も含め)、濃い、濃すぎる、とにかく濃い(笑)! 浅草には一度しか行ったことがないのですが、そんな風に山姥さま達が慕われている場所だったとしてもめちゃくちゃ面白いし違和感がない気がします。
    世の中大体の人間が実に業が深いし色々抱えているなか、こういう場所があるんだと願ってみるだけでも楽しい気持ちになるのではないでしょうか。
    終盤の勢いが凄くて一気に読みました。

    書店関係者

浅草楼閣十三階 山姥の愚痴庵

表紙
  • 著:金子ユミ
  • 装画:壺也
  • 発売日:2025年11月20日
  • 価格:792円(本体720円+税10%)

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