『親友・千尋へ。もし俺の身に何かあったら、この手紙を渡して欲しい』
真琴と千尋が契約夫婦として、
鎌倉の「あやかし屋敷」で
過ごす初めての冬。
一通の、宛先不明の
手紙が見つかった。
それは千尋の亡き親友で、
この屋敷の元所有者・遠原の書いた「遺言」だった。
渡し主のわからないこの手紙と、
あやかしに深くかかわる事件が、
不器用に育まれつつあった夫婦二人の絆を大きく揺るがすことに──!?
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「鍋の中でコトコトと
野菜が煮込まれていくような、
心の解ける音が聞こえる小説です」
──作家・額賀澪先生、推薦!「──お願いです。
なんでもしますから、
私をお嫁にしてください」
18歳になり、叔父夫婦の家を追い出されることとなった
七瀬真琴(ななせ・まこと)。
「──契約として、結婚しませんか。
七瀬さんには一緒に家を
守ってほしいのです」
そんな彼女に、
肩の上に
「誰も見ることのできない猫」を
乗せた作家・
英千尋(はなぶさ・ちひろ)は
そう切り出した──。
これは、鎌倉の
「あやかし屋敷」を舞台に、
あやかしに好かれない作家と、
あやかしに好かれる
お人よしの「契約夫婦」が、
友人から預かった大切な
その屋敷を守りながら、
心惹かれあっていく物語。イベント「額賀澪書店」でも
取り上げられた名作
『最後の夏に見上げた空は』
発表から17年。
住本優先生が満を持して放つ、
優しさあふれる物語を、
どうぞお楽しみください。