レンのエジプト人としての知識や考え方と、璃兵衛の怪異についての経験と和の知識が噛み合う様は見事。
更に実直なレンが、あやうい璃兵衛が妙な方向に進まないように気を使う様が、バディとして最高の相性。
この二人は互いにないものを与え合うことで存在している。まさに一蓮托生の仲。そして同じ道を歩む仲。
そう思うと二人の意地が、悪いやり取りが、改めて温かく感じられた。
レビュアー
物に憑いた想いを、時に健気に、時に恐ろしく、心奥まで響くように描き、時代やエジプトの文化などを交えて紐解いていく異色の展開がとても面白かった。
持ち込まれる相談の種類にもバリエーションがあり、意外な所に伏線が仕込まれていて、ミステリとしても毎回楽しめた。
「一蓮托生」に隠された真実と、それを優しく見守る怖がりの富次郎の存在感が光る、歴史とファンタジーとミステリが融合した新感覚の作品。
教育関係者
歴史関連が難しく書かれていないけど興味深い事も多く、二人のコンビの動きもいい。映画を字幕のみでみている感覚になりました。「こんな感じの情景だったんだろうなぁ」と脳内再生されながら今作を読んでいました。
一気読みしたい作品でしたが、一気に読むのが勿体ない作品でもあったので毎日少しずつ読むようにしていました。
こちら続編大希望です。
レビュアー