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ことのは文庫

story

「これから半年以内に、貴方の運命を変える出来事が起こるわ」

周りから浮かないように振る舞う高校一年生の遠藤彩(えんどう・あや)と石垣渉(いしがき・わたる)は、
クラス内でも人気の存在だが、お互いに対して苦手意識を持っていた。
ある日、彩は渉が同性の恋人に振られたことを知る。

「……気持ち悪いって思うだろ」
「思わないよ。誰に恋しようと、そんなの自由じゃん」
秘密を知られて動揺する渉にそう告げた彩にも、実はある秘密があった。

そんな二人が、高校生活初の文化祭で、クラス担任からいきなり指名され、
「文化祭名物《伝説の富士宮やきそば屋》」のリーダーを任されることに!?

「どうしてリーダーに選んだんですか?」
「選ばない理由がなかったからだよ」

人を食ったような発言をした担任の高井戸先生は、どうやら何かを企んでいるようで――。

movie

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  • 谷口
  • 佐々倉
  • 沖島
  • 遠藤
  • 石垣
  • 古松
  • 谷口たにぐち央介おうすけ

    彩の彼氏。
    入学式で偶然言葉を交わした彩に一目惚れをし、交際がスタート。
    彩が髪の色を明るくし、巻いていたのは央介の好みに合わせるため。
    あまりにも怒ることがない彩を見て、
    自分のことなど本当はなんとも思っていないのでは……と不安になり、彩に辛く当たる。

  • 佐々倉ささくら大貴だいき

    真面目でちょっと融通が利かない面がある。
    オブラートにくるんで話す、ということができない。
    交渉事が得意。基本的に後悔をしない。
    いつも正しくはないとしても、最善の道を歩いていると自負している。
    制服は着崩さない派。銀のメタルフレームのメガネをかけている。

  • 沖島おきしま藍那あいな

    気が強く、言いたいことははっきりというタイプ。
    クラス内の女子と一緒にいるより、ひとりでいるのが楽。
    常にヘッドフォンをして、制服に紫のタイツを合わせている。
    赤と青のインナーカラーが入った黒髪が特徴。
    お世辞や嘘をつくのが下手なため、人付き合いが苦手。

  • 遠藤えんどうあや

    クラス内ではちょっと派手めのグループに所属。
    何も考えてなさそうな、お気楽なタイプに見せているが、
    実はとても真面目で、勉強好きな努力家。
    幼い頃から、母親が弟ばかりを可愛がり、
    自分のことを見てくれないことに苦しんできた。

  • 石垣いしがきわたる

    クラス内でも男女ともに人気が高く、人を惹きつけるタイプ。
    明るくニコニコして、人当たりがとてもよいが、実際に話すと少し毒舌。
    人には言えない秘密があるため、本音をいつも隠すようになった。
    父親の浮気で苦しむ母親を見て育ったため、浮気がどうしても許せない。
    制服はちょっとだけ着崩す派。

  • 古松こまつみずほ

    人に意見を言うことが苦手で、いつもおどおどしている。
    中学のときにいじめられた経験から、自分に自信がなく、
    人と関わると「笑われてしまうのでは」と思い、怖くなってしまう。
    ライトノベルやファンタジー小説・漫画が好きで、
    人一倍優しい性格の持ち主。実はおばあちゃんっ子。

  • 佐々倉
  • 沖島
  • 遠藤
  • 石垣
  • 古松
  • 谷口
  • 佐々倉ささくら大貴だいき

    真面目でちょっと融通が利かない面がある。
    オブラートにくるんで話す、ということができない。
    交渉事が得意。基本的に後悔をしない。
    いつも正しくはないとしても、最善の道を歩いていると自負している。
    制服は着崩さない派。銀のメタルフレームのメガネをかけている。

  • 沖島おきしま藍那あいな

    気が強く、言いたいことははっきりというタイプ。
    クラス内の女子と一緒にいるより、ひとりでいるのが楽。
    常にヘッドフォンをして、制服に紫のタイツを合わせている。
    赤と青のインナーカラーが入った黒髪が特徴。
    お世辞や嘘をつくのが下手なため、人付き合いが苦手。

  • 遠藤えんどうあや

    クラス内ではちょっと派手めのグループに所属。
    何も考えてなさそうな、お気楽なタイプに見せているが、
    実はとても真面目で、勉強好きな努力家。
    幼い頃から、母親が弟ばかりを可愛がり、
    自分のことを見てくれないことに苦しんできた。

  • 石垣いしがきわたる

    クラス内でも男女ともに人気が高く、人を惹きつけるタイプ。
    明るくニコニコして、人当たりがとてもよいが、実際に話すと少し毒舌。
    人には言えない秘密があるため、本音をいつも隠すようになった。
    父親の浮気で苦しむ母親を見て育ったため、浮気がどうしても許せない。
    制服はちょっとだけ着崩す派。

  • 古松こまつみずほ

    人に意見を言うことが苦手で、いつもおどおどしている。
    中学のときにいじめられた経験から、自分に自信がなく、
    人と関わると「笑われてしまうのでは」と思い、怖くなってしまう。
    ライトノベルやファンタジー小説・漫画が好きで、
    人一倍優しい性格の持ち主。実はおばあちゃんっ子。

  • 谷口たにぐち央介おうすけ

    彩の彼氏。
    入学式で偶然言葉を交わした彩に一目惚れをし、交際がスタート。
    彩が髪の色を明るくし、巻いていたのは央介の好みに合わせるため。
    あまりにも怒ることがない彩を見て、
    自分のことなど本当はなんとも思っていないのでは……と不安になり、彩に辛く当たる。

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キャラクター紹介で登場した、キャラたちのイラスト。
こちらを見て、「この二人の並びが絶妙!」と丸井先生が一気に書き上げたのが今回の短編小説。
題して『佐々倉大貴は崩れない』

さて、いったいどう「崩れない」のでしょう……?

丸井とまと先生コメント

はじめまして、丸井とまとです。
この度は素敵な機会に恵まれて、まかろんKさんに六人を描いていただきました。
一人ひとりが魅力的なキャラクターデザインを見せていただき、彼らへの愛おしさがより増しました。
特に佐々倉と沖島を拝見して、会話が思い浮かびます!と
担当さんにお伝えしたところ、SS執筆の提案をしていただきました。
表情をあまり変えない佐々倉を崩した沖島のある一言のシーンは書いていて楽しかったです。
まかろんKさんと担当さんのおかげでうまれた甘酸っぱいSSを、皆様にも楽しんでいただけたら幸いです!

まかろんK先生コメント

日頃から青春をテーマに絵を描く機会が多いので、
「これぞ青春」な作品のカバーイラストを担当させていただけて、嬉しい気持ちが一番でした。
そして自分自身、学生時代に文化祭実行委員として奮闘していた記憶が作品を通して鮮明に蘇り、
まるで一緒になって文化祭準備をしているかのような興奮の中、カバーイラストを描かせていただきました。
この年頃の学生たちが抱える心の葛藤もリアルに描かれていて、
読み進めていくうちに気がついたら頭の中で登場人物全員の人物像が出来上がってしまい、
絵に起こさずにはいられませんでした。
思わず描きたくなってしまう作品、そんな作品に出逢えたことに心から感謝です。

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◆作ってみよう、富士宮やきそば◆

【富士宮やきそばとは】

もちもちの太麺に香ばしいソース、
肉カスと魚の削り粉による深い味が特徴の焼きそば。
B-1グランプリで連続優勝した記録のある、
静岡・富士宮市の名物グルメ。

本作を読んで、富士宮やきそばを実際に食べてみたい……!と
思われた方も多いはず。
そこで、
彩や渉たちが作ったレシピを、
作中の作成分量(約500食分)にてお届けします⁉
(実際の作り方は5食ずつなのでご安心を)
●食材一覧
  • ・富士宮やきそば(めん・肉カス・ソース・削り粉のセット/500食分))※静岡の専門店から通販で購入
  • ・キャベツ(35玉)
  • ・鶏ガラスープ(顆粒500g)
  • ・ラード(7.5㎏)
●作り方(文化祭バージョン)
前日準備
  1. キャベツを太い千切り(約3mm)にする。
  2. 肉カスを細かく刻む。
  3. 肉カスを5食分(25g)ずつ計量してラッピング。
当日
  1. 鉄板にラード(おたま1杯)をひき、肉カス(25g)を炒める。
  2. 肉カスから少し脂が出たところで、キャベツ(4つかみ)を投入して混ぜ、炒める。
  3. キャベツに軽く火が通ったら、肉カス・キャベツを鉄板の半分に寄せる。
  4. めん(5袋=600g)を軽くほぐしながら鉄板にあけ、上からガラスープ(230ml)をかける。
  5. めん全体にスープを軽くなじませたら、キャベツと肉カスをめんの上に乗せて軽く蒸らす。
  6. スープが減ってきたら、キャベツ・肉カス・めんを混ぜる。
  7. ソース(150ml)をかけて全体になじませ、削り粉(13g)を全体にふり、混ぜたらできあがり。

story

  • 高校時代の懐かしい思い出がよみがえり涙が出ました。
    作品の登場人物の様に、色々悩み、喜怒哀楽が一番激しい年代だったことを思い出しました。
    男女という括りに縛られず、『文化祭成功』という目標に向かい試行錯誤する姿は素敵です。
    『人は一人では生きていけない。手と手を取り合って共存していく素晴らしい体験』を作品を通じ、感じることが出来ました。
    言いたいこと言っちゃえばいいの。自分に共感してくれる人が一人でもいれば幸せなことですね。
    あーもう一度高校時代に戻って青春したい!! 文化祭いっぱい堪能したいな。

    レビュアー

  • 今まさに文化祭の準備が始まりつつある時期なのでずーっと話に入り込んでしまった。
    いつの時代も文化祭の前は、準備で盛り上がってくる校内の情景が目に浮かぶ。
    入学して2か月でお互いの距離感もつかめないまま、なんとなく過ごしているクラスメートが文化祭を通じて心が繋がっていく様子には自分の心も熱くなった。
    それ以上に生徒の力量を感じ、適材適所に文化祭のリーダーを配置した担任の高井戸先生がすごいと感じた。
    読んでいる間は高井戸先生になった気分で彼らを見守ってしまった。
    誰もが欲している『誰かの一番になりたい』という気持ちが痛々しく、
    みんなに『本当の自分を素直に出せるただ一人の人』が現れるのを切に願ってしまう。

    図書館関係者

  • 思春期の恋愛、家族観、他者とのつながりが瑞々しく描かれている。
    ぶつかるが故の痛みに対する怖さ、ぶつからないが故のもどかしさに対する怖さ、
    後に成長してみると些細なことだったと思えることまでもが大切なこの時期を懐かしく思い、羨ましくも思えた。
    また焼きそばの香ばしい香りと共に、教師や先輩たちの心にくいフォローが心まで温めてくれるようだ。
    あの頃の気持ちを思い出させてくれる良作。

    書店関係者

  • 好きになるのに理由なんかいらない。それなのに好きになってしまったことに「なんで」と悩んでしまう。
    同性を好きになってしまった葛藤と周囲の偏見に心を閉ざす彼と彼女が、
    勇気を出して振り絞って踏み出した一歩に心を動かされました。
    読んだ後の視界が鮮やかさといったら……!
    この本を読む前には気づかなかった世界のさまざまな色に、気付かされます。この本に出会えた事が嬉しいです。

    書店関係者

表紙

赤でもなく青でもなく
夕焼け檸檬の文化祭

  • 著:丸井とまと
  • イラスト:まかろんK
  • 発売日:2021年9月18日
  • 価格:759円(690円+税10%)

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